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barcarole

大作からB級まで、たまにミーハー、たまに毒舌な感じで感想を綴っています。
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  • 04/29/19:53

ブラザーズ・グリム The Brothers Grimm

うぅーん…。

ホラーのようなファンタジーのような…微妙な物語。

舞台はフランス占領下のドイツ。
ここら辺の世界史は大好きだし、風俗も結構見慣れているのでわたしは違和感がなかったのですが…見慣れないと違和感あるかもねー。特にアレだ、白塗りおばけな従者とかw

グリム兄弟が主人公なだけあって、おとぎ話テンコモリ。
幼い頃によく童話を読み聞かせされてたわたしには、「おぉ、○○!!」ってシーンが結構あったのですが、あんまりそういうの読んでない人には意味不明なシーンが多いかもしれません。
かく言うわたしも、「これは…?」と思うシーンがありました、いくつか。
まー、全部が全部、グリム童話出典ってわけでもないのかもしれないけども。


まずは、グリム兄弟の幼い頃の話。
病に倒れた妹を救う為、牛を売ることになったのだけれど、弟・ジェイコブは「魔法の豆」と牛を交換してしまい、お金をもらえず…そのせいで、妹は死んでしまいます。
なんという悲劇…。
それでもウィルはジェイコブと一緒にいるのですが、自分なら殴り飛ばして絶縁だな…。
のっけからいきなりドン暗です。

ただ、ドン底まで暗くなりそうなものなのに、その後はペテン師となった兄弟、ウィル(マット・デイモン)とジェイコブ(ヒース・レジャー)の素っ頓狂?なペテン師っぷりで、ちょっと明るくなります。
民間伝承をふんだんに取り入れているので、これも、そこら辺にちょっと詳しい方が面白いかと。
魔女の灰は、鏡張りの箱に入れて埋めろ、とか。
それをしなかった為に、水車小屋に魔女、つーかバンシーが出るようになって…という村に、既に有名になっているグリム兄弟が現れて、魔女退治を請け負います。
当時の技術としては、恐らくかなりの水準の演出を凝らしたペテンシーンは、なかなかのものです。

まぁ、結局、ペテンであることがバレて、フランス軍の司令官にとっつかまるわけですがw


その後が、いよいよ本格的にグリム童話の世界です。
ドイツの片田舎にある村で、少女が連続失踪する事件が起きていて、命を助ける代わりに、失踪事件を解決する羽目になり…。
ペテン師に失踪事件解決しろとか、無茶も良いとこじゃね?とか思ったのは内緒。

子供達が攫われるシーンは、「赤ずきん」、「ヘンゼルとグレーテル」、「ジンジャーブレッドマン」辺りを知っていれば尚面白いかと。
そうそう、グレーテルが攫われるシーンですが、例のごとく字幕版で見ていたわたしには、「ハーンス!」「グレータ!」と呼び合っているように見えるわけですが…。
ヘンゼルとグレーテルというのは、元々ドイツの童話だと思うんだけど、更に名前が変更になっているのはどうしてなんだろ。

まぁ、そもそも、フランス統治下のドイツの話なのに、登場人物皆英語ですけどねwwwwwww


そうそう、英語といえば、作中の人々の話す英語は、ちょっと訛っているというか…聞き慣れたアメリカ英語とはちょっと違う気がします。
グリム兄弟はバリバリのアメリカ英語の発音ですが、カヴァルディはイタリア語っぽく聞こえるし、フランス軍の兵士達の英語はフランス語っぽく聞こえるような…?
フランス軍の兵士が、ドイツ語圏の村の人々の言葉を「一々怒鳴っているようだ」とか言っているところもあり、そこら辺で頑張って風俗の違いを出そうとしているのか何なのか。
とりわけ、カヴァルディの英語には癖がありましたが、あれはイタリア語訛りというよりは、ピエロのように、役者とかが話す独特の口上っぽい英語なのかもしれない…よく分かりません、イタリア語訛りの英語の人と話したことないからね…。

ストーリー自体を一々解説してしまうとつまらなくなるので控えますが、「白雪姫」、「カエルの王子様」、「ラプンツェル」、「ジャックと豆の木」、「オズの魔法使い」、「シンデレラ」、あとは…何だったかなぁ…「ルンペルシュティルツヒェン」辺りを知っていれば、ネタはほぼ完璧に理解出来ると思われます…。
自分の中で消化しきれなかったネタは、

・アンゲリカが水の中に落ちた後、ジェイコブが救い出そうとするのを防ぐ為、猟師の父さんが指輪投げ込む→水面が凍って助けられない
・つーか、攫われた子供達がドレス姿で水に浮かぶ姿は、どう見ても、「瀕死のオフェーリア」…→ジョン・エヴァレット・ミレーの名画ですが、元ネタはハムレット。いくら何でもグリム童話でハムレットはない。…偶然か、ただの。



映像そのものは非常に美しいです。
これもそうだし、ヴィドック、オペラ座の怪人、インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアのような、ゴシック系の映画はとりわけそうなのだけれど、映像美という一点で輝いてます。
邦画では、これ程、「あぁ綺麗だなぁ、凝ってるなぁ」って思うことはないのですが…独特だよね。
おとぎ話を題材にしているだけあって、子供に見せたい映像です。…やってることが結構えげつなくホラーなので、子供には見せられませんけど…。
かつて子供であったあなたに、って感じでしょうか…(ぇ。

恋愛のドロドロがないのも逆に良し。
グリム兄弟の仲の良さを強調するエピソードを入れてくれると、尚良かったのですが。あんだけじゃ、正直、「こんな夢と現実の見分けついてないような、しかも、妹助けるの忘れて牛と豆交換しちゃうような弟で本当に良いのか? 兄よ!!」と思ってしまう。
アンゲリカにしても、流れ的には兄さん好きになるんだろうなーと思うんだけど…。
お互いに弟、妹がいて、それを守らなきゃならない自分っていう立ち位置が一緒で、共感しやすいわけだし。
なのに、眠るアンゲリカを起こすシーンはジェイコブなんだよね…。ま、その時兄ちゃんのウィルは瀕死なわけで、当たり前なんですけども。
ジェイコブがアンゲリカにキスをする前に、カヴァルディが「真実の愛があれば目覚める、そうでなければ死ぬよ」って言うけれど、果たしてジェイコブに「真実の愛」があるのか否か。
もうちょっと、ジェイコブが骨抜きになっちゃうようなシーンがあれば、素直に納得出来るんだけどなぁ。

でもまぁ、童話を出典とする演出と、映画そのもののストーリーを絡めて、2時間以内で…となると、必然的にいろんなエピソードが薄くなっちゃうのかもなぁ…。
とってもお勧め!というわけではないですが、そこそこ面白い映画だったと思います。
全体的に駆け足というか、常にテンポが速い感じの作りが少々残念でしたが。

…あ、そうそう。
女王役のモニカ・ベルッチは、流石に綺麗でした。綺麗でしたが…。
人間離れした美しさなら、絶対、ニコール・キッドマンが最高だと思うんだけどなぁ…(ぁ。
や、でも、綺麗でした。
…外見の美しさだけで骨抜きにされるほどじゃないと思うんだけど。皆簡単に誘惑されすぎだよ!!
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