[PR]
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア Interview with the Vampire
これは、わたしが最も好きなヴァンパイア映画です。
中学生くらいの頃に見て、「うおー、かっちょいい~」と思った映画です。
それから(多分)10年…久々に見ると…若い。
この映画の原作は、アン・ライスの「夜明けのヴァンパイア」。
原作の原題もインタビュー・ウィズ・ヴァンパイアで、映画版ではその原題の方がまんまタイトルなんですね。
その方が確かにストーリー的には正しい。
が、インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア…含みも何もねーな。
この映画、ストーリーは薄い気がします。
原作を読むと、もっともっと色んなものが見えてくる映画ですね。
ただ、一本の映画として原作を抜きに見た場合、ストーリーとしては非常に上手く構成されている気がしました。
確かにストーリーは薄いけど、無駄なストーリーを詰め込むこともなく、ひたすらヴァンパイアの苦悩、葛藤にスポットライトを浴びせるストーリー展開には、昨今の複雑なんだか頭悪いのか、詰め込みすぎな映画とは一味違うものを感じましたよ。
シーンの1つ1つにちゃんと意味があって、不可解なシーン、これはあまりいらんだろ、という余計なシーンが殆どなかったように思います。
原作を程好く生かしつつ、独自のストーリーを取り入れてより分かりやすく、シンプルに。
なかなかの良品であると思いました。
全編を通して語られる、ブラッド・ピット扮するルイのヴァンパイアとしての苦悩。
ただ、主役としてルイが語っているにも関わらず、ポスターやDVDのカバーはトム・クルーズ。
まぁ、そうだろうな。
ルイの苦悩を通して見えてくるのは、その実、中盤以降出番の少ない、レスタト(トム・クルーズ)の孤独、懊悩であるような気がします。
そうですね、あと脚本に関しては…時代設定が上手いと思いました。
最初は、アメリカの植民地時代。
時代の変遷と共に、ヴァンパイア達の生き方が変化していく様子がよく見えました。
その時代の流れを何より雄弁に語るのが、豪華そのものの衣装。
幼いヴァンパイア・クロウディアの愛らしい姿にうっとりします。
まさか、彼女がつい先日見たばかりの、「スパイダーマン」のヒロイン・MJだなんて…。
ホント、時の流れは残酷ですね。
あぁ、クロウディア、あなたはヴァンパイアになって正解だったよ(ぁ。
この映画は、豪華キャストで有名だったようですが(当時のことなんて勿論記憶にないけど)…いや、それもそうでしょうね。
物凄い豪華キャスト。
主役にブラッド・ピット、そしてトム・クルーズ、アントニオ・バンデラス、クリスチャン・スレーター、キルスティン・ダンスト。
しかも、本当はクリスチャン・スレーターではなく、リバー・フェニックスが演じる予定だったそうです。
ただ、撮影前に亡くなってしまったので、スレーターになったのだとか。
勿論スレーターで十分良かったんですが、あの役がリバーだったら…そりゃもう、ストーリーじゃなく、ビジュアルで見る映画だろうなぁ。
それも見たかった気がしますが。
そうそう、金をかけてるのはキャストだけじゃありません。
セットもちゃちいところはなかったし、衣装なんて目を瞠る程の美しさです。
ストーリー云々だけじゃなく、目の保養としても外れがないでしょう。
…多分。
気になったのは、キャストですね。
ブラッド・ピット…長髪、似合わないね。
フリルもレースも似合わないし、青白い顔だとかなり怖い。
乱杭歯ではないんですが、ヴァンパイア特有の鋭い犬歯、ちょっと出っ歯気味の(特殊メイクだと思います。今までそういう印象全然ないし)顔は、はっきり言って、ショボい。
ブラッド・ピットのカッコ良さを求める方には、この映画は薦めません。
ただ、ルイの鬱屈したものを感じさせる演技はハマっていたと思います。
「笑顔のシーンが殆どない(なんと全編通して1分だけらしい)役にうんざりしていた」という話もあるようですが、そのうんざり感が、彼の演じるルイのうんざり感に通じたのか、画面全体から押し寄せる欝…。
いやいや、ハマり役だったと思いますよ。
ビジュアルには多少難アリでしたが。
それと、アントニオ・バンデラス。
彼は非常に血色の良い俳優です。
筋骨隆々とまではいかなくとも、結構ガタイの良いワイルドなお兄さん、みたいなイメージ。
で、その彼が、同じように白塗りで出てくると…。
キモっ。
いや、マジで。
青白い顔の中で、際立つのが真っ黒な太い眉と、真っ黒な瞳。
これは怖い。
っていうか似合わない。
当時の人間の常として、彼も長髪なんですが、真っ黒サラサラストレートのあまりの似合わなさに、笑って良いのか顔を顰めれば良いのか、一瞬悩みました。
…ええ、笑っておきました。
勿論。
ただ、彼の演じるアーマンド(だったかな)というのは、本当は非常に重要な役なんですよね。
原作と比べ、ストーリーが大分削られていたせいもあるんでしょうが、映画を見ていてもあまり複雑なものが感じられませんでした。
寧ろ、単にルイを狙うスケベオヤジにしか見えなかった…。
で、ルイの愛する娘(というか恋人?)のクロウディアを妬んで殺す、と。
しかも外見がバンデラスの濃さをそのまま残しているので、変態オヤジにしか見えないという…。
それに比べて、これは良い!と感動したのが、トム・クルーズです。
髪を金髪に染め、顔は青白く塗って、鋭い犬歯。
いや~ん、わたしの血を吸って!!
…思わずそう叫びたくなるような、ゴシックなヴァンパイア。
ハンサムでした…。
普段のトム・クルーズを見ても、あまりハンサムという印象はなかったわたしですが、この映画では彼の美貌にただただやられましたね。
美しかった…。
そして最後に、キルスティン・ダンスト。
彼女も、くるくる巻き毛にゴシックな衣装が非常に似合っていました。
優美な姿と、子供らしい笑顔に、「こりゃロリコンが放っておかないわ…」と感心。
「アザーズ」の子役もカワイイと思ったけど、キルスティンの比ではありません。
ホント、凄く可愛かった。
そして、特筆すべきが彼女の演技力。
彼女は30年経っても自分が成長しないことに苛立ち、絶望するのですが、その辺りの演技が非常に上手い。
外見は子供でありながら、内に宿るのは成熟した大人の女。
そのギャップを、彼女は眼差しで表現します。
上手い。
彼女は、最初は無邪気にヴァンパイアとしての日々を謳歌しています。
その頃の無邪気さに比べ、ルイへの深い愛情と、成長しない自分への絶望を感じさせる後半の、複雑な内面。
演技に無理がなく、非常に感心しましたね。
ストーリーの薄さを補って余りある程、クロウディアの心情がよく表現されていたと思います。
なんでも、演じたキルスティンは当時12歳だとか。
あの豪華キャストの中で、よくもあれだけの名演を見せたものです。
トム・クルーズの美しさにやられつつ、彼女の名演に惜しみない拍手を送りたい一本でした。
中学生くらいの頃に見て、「うおー、かっちょいい~」と思った映画です。
それから(多分)10年…久々に見ると…若い。
この映画の原作は、アン・ライスの「夜明けのヴァンパイア」。
原作の原題もインタビュー・ウィズ・ヴァンパイアで、映画版ではその原題の方がまんまタイトルなんですね。
その方が確かにストーリー的には正しい。
が、インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア…含みも何もねーな。
この映画、ストーリーは薄い気がします。
原作を読むと、もっともっと色んなものが見えてくる映画ですね。
ただ、一本の映画として原作を抜きに見た場合、ストーリーとしては非常に上手く構成されている気がしました。
確かにストーリーは薄いけど、無駄なストーリーを詰め込むこともなく、ひたすらヴァンパイアの苦悩、葛藤にスポットライトを浴びせるストーリー展開には、昨今の複雑なんだか頭悪いのか、詰め込みすぎな映画とは一味違うものを感じましたよ。
シーンの1つ1つにちゃんと意味があって、不可解なシーン、これはあまりいらんだろ、という余計なシーンが殆どなかったように思います。
原作を程好く生かしつつ、独自のストーリーを取り入れてより分かりやすく、シンプルに。
なかなかの良品であると思いました。
全編を通して語られる、ブラッド・ピット扮するルイのヴァンパイアとしての苦悩。
ただ、主役としてルイが語っているにも関わらず、ポスターやDVDのカバーはトム・クルーズ。
まぁ、そうだろうな。
ルイの苦悩を通して見えてくるのは、その実、中盤以降出番の少ない、レスタト(トム・クルーズ)の孤独、懊悩であるような気がします。
そうですね、あと脚本に関しては…時代設定が上手いと思いました。
最初は、アメリカの植民地時代。
時代の変遷と共に、ヴァンパイア達の生き方が変化していく様子がよく見えました。
その時代の流れを何より雄弁に語るのが、豪華そのものの衣装。
幼いヴァンパイア・クロウディアの愛らしい姿にうっとりします。
まさか、彼女がつい先日見たばかりの、「スパイダーマン」のヒロイン・MJだなんて…。
ホント、時の流れは残酷ですね。
あぁ、クロウディア、あなたはヴァンパイアになって正解だったよ(ぁ。
この映画は、豪華キャストで有名だったようですが(当時のことなんて勿論記憶にないけど)…いや、それもそうでしょうね。
物凄い豪華キャスト。
主役にブラッド・ピット、そしてトム・クルーズ、アントニオ・バンデラス、クリスチャン・スレーター、キルスティン・ダンスト。
しかも、本当はクリスチャン・スレーターではなく、リバー・フェニックスが演じる予定だったそうです。
ただ、撮影前に亡くなってしまったので、スレーターになったのだとか。
勿論スレーターで十分良かったんですが、あの役がリバーだったら…そりゃもう、ストーリーじゃなく、ビジュアルで見る映画だろうなぁ。
それも見たかった気がしますが。
そうそう、金をかけてるのはキャストだけじゃありません。
セットもちゃちいところはなかったし、衣装なんて目を瞠る程の美しさです。
ストーリー云々だけじゃなく、目の保養としても外れがないでしょう。
…多分。
気になったのは、キャストですね。
ブラッド・ピット…長髪、似合わないね。
フリルもレースも似合わないし、青白い顔だとかなり怖い。
乱杭歯ではないんですが、ヴァンパイア特有の鋭い犬歯、ちょっと出っ歯気味の(特殊メイクだと思います。今までそういう印象全然ないし)顔は、はっきり言って、ショボい。
ブラッド・ピットのカッコ良さを求める方には、この映画は薦めません。
ただ、ルイの鬱屈したものを感じさせる演技はハマっていたと思います。
「笑顔のシーンが殆どない(なんと全編通して1分だけらしい)役にうんざりしていた」という話もあるようですが、そのうんざり感が、彼の演じるルイのうんざり感に通じたのか、画面全体から押し寄せる欝…。
いやいや、ハマり役だったと思いますよ。
ビジュアルには多少難アリでしたが。
それと、アントニオ・バンデラス。
彼は非常に血色の良い俳優です。
筋骨隆々とまではいかなくとも、結構ガタイの良いワイルドなお兄さん、みたいなイメージ。
で、その彼が、同じように白塗りで出てくると…。
キモっ。
いや、マジで。
青白い顔の中で、際立つのが真っ黒な太い眉と、真っ黒な瞳。
これは怖い。
っていうか似合わない。
当時の人間の常として、彼も長髪なんですが、真っ黒サラサラストレートのあまりの似合わなさに、笑って良いのか顔を顰めれば良いのか、一瞬悩みました。
…ええ、笑っておきました。
勿論。
ただ、彼の演じるアーマンド(だったかな)というのは、本当は非常に重要な役なんですよね。
原作と比べ、ストーリーが大分削られていたせいもあるんでしょうが、映画を見ていてもあまり複雑なものが感じられませんでした。
寧ろ、単にルイを狙うスケベオヤジにしか見えなかった…。
で、ルイの愛する娘(というか恋人?)のクロウディアを妬んで殺す、と。
しかも外見がバンデラスの濃さをそのまま残しているので、変態オヤジにしか見えないという…。
それに比べて、これは良い!と感動したのが、トム・クルーズです。
髪を金髪に染め、顔は青白く塗って、鋭い犬歯。
いや~ん、わたしの血を吸って!!
…思わずそう叫びたくなるような、ゴシックなヴァンパイア。
ハンサムでした…。
普段のトム・クルーズを見ても、あまりハンサムという印象はなかったわたしですが、この映画では彼の美貌にただただやられましたね。
美しかった…。
そして最後に、キルスティン・ダンスト。
彼女も、くるくる巻き毛にゴシックな衣装が非常に似合っていました。
優美な姿と、子供らしい笑顔に、「こりゃロリコンが放っておかないわ…」と感心。
「アザーズ」の子役もカワイイと思ったけど、キルスティンの比ではありません。
ホント、凄く可愛かった。
そして、特筆すべきが彼女の演技力。
彼女は30年経っても自分が成長しないことに苛立ち、絶望するのですが、その辺りの演技が非常に上手い。
外見は子供でありながら、内に宿るのは成熟した大人の女。
そのギャップを、彼女は眼差しで表現します。
上手い。
彼女は、最初は無邪気にヴァンパイアとしての日々を謳歌しています。
その頃の無邪気さに比べ、ルイへの深い愛情と、成長しない自分への絶望を感じさせる後半の、複雑な内面。
演技に無理がなく、非常に感心しましたね。
ストーリーの薄さを補って余りある程、クロウディアの心情がよく表現されていたと思います。
なんでも、演じたキルスティンは当時12歳だとか。
あの豪華キャストの中で、よくもあれだけの名演を見せたものです。
トム・クルーズの美しさにやられつつ、彼女の名演に惜しみない拍手を送りたい一本でした。
PR
- トラックバックURLはこちら