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barcarole

大作からB級まで、たまにミーハー、たまに毒舌な感じで感想を綴っています。
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  • 04/30/03:37

凶気の桜

正直、肌に合いません。
観ていて、面白いと殆ど思わなかったです。
唯一ちょっと楽しい気がしたのは、消し屋が市川を眠らせて色々しちゃうとこ。
なるほど~、指紋ってああいう風に取るのね。


映画の内容は…ビミョーでした。
好きな人は好きなのかな。
でも、一体どういう人が好きなんだろ…。
窪塚ファン?
もしくは、えぇと、ヒップホップが好きな人とか?
わたしはそのどちらでもないので、全く共感出来る部分がありませんでした。

まず、わたしは、「国粋主義」とか「ナショナリズム」とかいうものに、結構拒否反応を示してしまうことがわかりました。
大体、窪塚があれこれ言っているのだって、エネルギーが有り余って欲求不満のボウヤが屁理屈捏ねてるようにしか聞こえなかったし。
途中、「アメリカはクソ」みたいなことを言いつつも、「アイスクリームは美味い」っていう矛盾を笑う会話があるんですが、ぶっちゃけ、それがこの映画の全てを表現していると思ってしまいました。
だって、ヒップホップでアメリカを批判って…。

別に、物真似が悪いとは思わないし、異なる文化を取り込んで、独自の文化と融合させて洗練させる、そういうのは普通に素晴らしい、貴い行為だと思います。
けどそれは飽くまで、「核となる部分を取り入れて」、噛み砕いて吸収して、そして自分のものとして取り込んでいく、そういう過程があるからこそのものだろうと。
所詮猿真似に過ぎないと思わせるような、そんなレベルじゃお話になりません。


それはともかく、前半はなかなか爽快な感じです。
3人組が、勝手に自警団を気取って、渋谷の街の「腐った若者」に制裁を加えていく。
で、行うことというのが、要するに略奪、矯正(という名の集団暴行)、そして排泄(という名の強姦)。
前2つはともかく、最後の1つ、なんだそりゃ。
まあ、その意味分かんないよ、ってツッコめる辺りが、いかにも若者らしいっちゃらしいんですが。


それに比べ、ホンモノの国粋主義を気取るヤクザとの関わりが主になってくる後半は、出来の悪いヤクザ映画。
任侠なんて言葉が似合わないくらい、出来が悪い、ヤクザ映画です。
組長と若頭は結構良い味出してたんだけど、窪塚が浮いてる浮いてる。
いやー、ピンポンでは「窪塚、合ってる」と思ってビックリしたんですが、「池袋ウエストゲートパーク」と言い、この「凶気の桜」と言い、その役は他の人がやった方が良かったんじゃないかな…。
ま、池袋ウエストゲートパークの場合、原作があまりに出来が良すぎて、原作を読んでからドラマを見ると、違和感が猛烈に感じられて仕方がないだけなのかもしれませんけど。


わたしは基本的に、「若者らしい暴走」というのは、作品で観る分には好きなんですよね。
無鉄砲さとか、無計画なところとか、触ったらイタイって感じの危うさが。
ただ、この映画に関しては、何故か全く共感出来ませんでした。
やっぱり、その暴走というのが、素直に暴力に向かっちゃっているからなのかな…。
いや、やはり、妙な思想を主人公が持ち出した辺りで、ざーっと引いちゃったんだと思います。
日本語のヒップホップのカッコよさを殆ど感じたことのないわたしは、音楽を聴いていると頭痛がしましたし。


ただ、窪塚以外の2人は、なかなか良いキャスティングだったと思います。
ただ…須藤元気だったっけ?
格闘家なんですよね、彼。
そのせいか、喧嘩のシーンでも普通に関節技を決めるし、危なげのないアクションシーンは素直に楽しかったですね。
ただなぁ、思うんですよ。
窪塚と2人で喧嘩するシーンがあるんですが、どう考えても、窪塚、あんなひょろひょろの体じゃ勝てないでしょう。
いや、勝ったと言えるものかどうかは微妙ですけど…。
あんな風にお互いダメージ食らう前に、窪塚ノックアウトされて終わりだって。

RIKIYAも良かった。
兄貴!って感じで江口洋介(っていうか消し屋)に憧れるとことか。
でもって、あっさり騙されて転落してくとことかね。


3人はそれぞれに転落していってしまうんですが、それが唯一の救いかな。
あれだけのことをして、のうのうと生きているんじゃ、この映画の主張なんてものは皆無になってしまうと思います。
「若者というのは時として暴走し、信じられないような暴挙をするものだが、行き過ぎたそれは自身の破滅を招くものだ」という感じかしらん。


あ~、あと思ったのは、ヒロイン、いらないね。
顔はカワイイが、演技力があるわけでもなく、その上登場する意味が殆ど分かりません。
窪塚の(というか山口の)思想に共鳴する辺りが、辛うじて意義があるシーンか?
「日本は好きだけど、今の日本人は好きじゃない」とか。
しかし、この考え方もビミョーだな、とわたしは思いました。

明らかに違うトーンのヒロインのシーンは、一体どういう意図で入れられたものなのか…。
何か意図があったとしても、あまり効果はなかったと思います。
どうせなら、ああいうダルいシーンを全てカットして、もっとスピード感のあるシーンを繋げていった方が良かったんじゃないかな、と。
ヒロインが出てくるシーンになると、あまりのつまらさなに眠気が…。

いえ、好き好きですから、あそこのシーンが良い!って人もいるかもしれませんが。


この映画で最も好演したのは、江口洋介でしょう。
顔が嫌いで、妙に良い人ぶってる演技も大嫌いだったわたしですが、意外とダーティな役が似合いますね、この人。
アクションシーンについては…まあ何も言いませんが、大人とこども、という対比が、窪塚とのツーショットではよく出ていました。
妙に善人ぶった熱い役より、こういう役の方がこの人のハマリ役になる気がします。


桜はキレイでした。
しかし、桜のように散った彼らがキレイかと言うと、そうでもありません。
儚い、という言葉が似合うほど、少年らしい繊細さを感じられたわけでもありません。

もしも自分の中で今まで見た映画に点数をつけるなら…これ、10点満点で2、3点クラスです。
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