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着信アリ2
2作目は駄作の典型。
ま、1作目が傑作かと聞かれると、そうでもない。
ただ、1作目にはそれなりの目新しさがありました。
携帯で呪いが伝播する、というのはさほどでもありませんが、死の着信メロディが鳴り出す、未来の自分からの着信、という辺りは結構怖いです。
が、その怖さも、2作目ともなると明らかにトーンダウン。
どの殺害シーンを見ても、焼き直しの感が拭えません。
しかも、1を見ている人間にとっては、明らかに「これどうよ」っていう矛盾点がありましたし。
ヒロイン奥寺杏子は結構カワイイ。
が、ヒロインが生き残るなんて…。
いえ、ある意味、昨今のホラームービーのなかでは斬新かもしれませんが。
皆、最後の最後に死んじゃうしね。
納得いかない点ナンバー1は、間違いなく、「死の着信メロディ」。
おいおい、これは本当に変だよ。
1の方で、「死の着信メロディ」は子供向けアニメの主題歌で、怨霊となった美々子の妹、奈々子(逆だったかも)が持っているぬいぐるみから流れるメロディ、って設定でした。
それが何故、台湾で流れる?
しかも、1で人を殺しまわってた美々子が、実は台湾にいた自分の祖父の携帯から着信を受けて、同じように被害者だったんだ、というストーリーなのに。
日本の美々子と、台湾のリー・リィが、同じような孤独を抱える虐待を受けた子供として共感し、同じ能力を得て、日本ではあの「死の着信メロディ」が…というならまだなんとか納得のしようがありますが、その音楽が何故台湾で流れているんでしょうか。
ホラーが大の苦手で、顔を半分隠しながら観たわたしでも、この矛盾は流石に気付きました。
ありえません。
それと、1では「赤い飴玉」が犠牲者の口の中に入っている、というのにもちゃんと理由がありました。
痛いことをして妹を泣かせた後、いつもあげていた飴玉。
今回は、怨霊のルーツは台湾!ということを主張する為か、胃の中から「日本産ではない(後に台湾産と分かる)石炭」が検出される、ということになったんですが、石炭を食わせる意味が分かりません。
なんでも食わせりゃ良いってもんじゃありません。
日本を飛び出そう!という意欲がよく見えて、それは別に悪いことであるとは思いません。
ですが、設定に無理がありすぎて、散漫な印象を与えていることは否めないと思います。
途中、ジャーナリストの孝子の方と2つにストーリーが分岐して、それぞれのドラマを展開するんですが、そのせいで、どっちも中途半端になっている気がします。
これ、無理に日本を飛び出そうとしなければ、もう少しコンパクトにストーリーをまとめることが出来たんじゃないでしょうか。
…そうでもないかな。
孝子の方は、双子の妹を死なせた後悔を感じながら生きていて、その妹が、彼女のドラマには深く関わってきます。
ただ、そのドラマが中途半端な気がします。
どうして彼女がそこまでこの「呪い」に強い関心を抱くのか、という説明にはなっていますが、最後の最後で、そのドラマが全く関係ないものになってしまっている気がします。
これは、折角のドラマが生かしきれていないなぁ、と感じました。
対する杏子の方は、保母で児童カウンセラーを目指す女性、ということで、母性を感じさせる存在として描かれています。
前作の由美(柴崎コウ)が、美々子の孤独や苦しみに対して共感し、同化したのに対して、彼女はリー・リィのそれに同情し、受け入れる立場に立ちます。
そういう立場の違いが、この2作のエンディングの違いに繋がったんでしょうか…。
前作のエンディングはめためたでしたが、こちらの方がまだ、エンディングとしては納得がいく気がします。
ただ、どう考えても、そこまで怨霊に対して同情しきれるものではないと思います。
大体、友達とか殺されてるんだし。
そこら辺は、ビミョーに納得がいきません。
これはホラー映画にはツキモノですが。
全編を通して「死の着信メロディ」がキーとなっているだけに、映画のところどころで、いきなり古いタイプの携帯の電子音が鳴り出します。
これは映画館で観るとキツい。
怖いというよりも、わたしは頭が痛くなりました。
そうそう、このリー・リィが死んだ場所の真上が電波塔、ということで、何故携帯を媒介にしているかの説明をしているつもりなのかもしれませんが、それにも納得がいきませんでした。
だって、リー・リィが死んだのは90年前ですよ?
携帯電話が普及するまで、どうやって人を殺していたの?
テレビ、ラジオとか?
だったら、もっと数万人規模で死んでそうですよね。
電波塔が建つまでは、じゃあ、黙って死んでたんでしょうか?
謎だ…。
ホラーならホラーだけやってりゃ良いのに、そこに恋愛まで絡め、更に家庭ドラマまで絡めようなんて、明らかにやりすぎです。
大体、美々子がレイプされて出来ちゃった子だ、なんて設定は1にありませんでしたし。
あったら、もっと早くお母さんは美々子を見捨てていた気がします。
何でもかんでも設定を後付けするのは止した方が良いですね。
徒に作品のレベルを下げるだけです。
それに、途中で出てきたお婆さんがキーとなる怨霊リー・リィについて語るシーンがあるんですが、そのお婆さんも謎。
唯一の生き残り、ということと、自ら目を刺して失明した、ということは無関係ではない気がするんですが、どうして目を刺したのか、どうして一人だけ生き残ることが出来たのか、その説明が全くありません。
孝子のシーンをもっと減らして簡潔にすれば、そこのエピソードを描けた気がします。
その方が、リー・リィのキャラクターにもっと深みが出た気がします。
正直に言って、美々子に比べ、リー・リィの方はドラマが薄すぎる。
それと、最後に1つ。
杏子の携帯に送られてきた写真で、杏子の口が縫われているのが分かります。
街中を歩いていると、杏子の耳に「口を縫われた女の子が深夜に枕元に立つ」という女子高生の声が飛び込んでくるんですが(その女子高生も、携帯で会話をしている)、その噂というのが本当に唐突に出てくる気がします。
噂というからには都市伝説なんでしょうが、女子高生が一体どこからそんな噂を仕入れてくるんでしょうか?
だって、口を縫われたリー・リィは台湾にいるのに。
「台湾」というキーセンテンスを出す為に、無理矢理このエピソードを挿入した感が否めなくて、はっきり言ってげんなりしました。
大体、「口を縫われた」って、別にそんなに怖い感じがしないし…。
トータルで言って、この映画、わざわざ映画館で観る価値はありません。
普通の映画は、駄作であっても、映像が大きく迫力満点、っていうだけで少々面白さが割増されるものだと思いますが、この映画はそうでもなかったです。
寧ろ、音量の調節が出来ないので、音が頭に響いて疲れます。
電子音っていうのが、やっぱり良くないですね。
恐怖は確かに煽られるかもしれませんが(死の着信メロディがオーケストラだったら、あまり怖くないでしょう)。
あ~ぁ、これ観るくらいなら、JUON観た方が良かったなぁ。
ま、1作目が傑作かと聞かれると、そうでもない。
ただ、1作目にはそれなりの目新しさがありました。
携帯で呪いが伝播する、というのはさほどでもありませんが、死の着信メロディが鳴り出す、未来の自分からの着信、という辺りは結構怖いです。
が、その怖さも、2作目ともなると明らかにトーンダウン。
どの殺害シーンを見ても、焼き直しの感が拭えません。
しかも、1を見ている人間にとっては、明らかに「これどうよ」っていう矛盾点がありましたし。
ヒロイン奥寺杏子は結構カワイイ。
が、ヒロインが生き残るなんて…。
いえ、ある意味、昨今のホラームービーのなかでは斬新かもしれませんが。
皆、最後の最後に死んじゃうしね。
納得いかない点ナンバー1は、間違いなく、「死の着信メロディ」。
おいおい、これは本当に変だよ。
1の方で、「死の着信メロディ」は子供向けアニメの主題歌で、怨霊となった美々子の妹、奈々子(逆だったかも)が持っているぬいぐるみから流れるメロディ、って設定でした。
それが何故、台湾で流れる?
しかも、1で人を殺しまわってた美々子が、実は台湾にいた自分の祖父の携帯から着信を受けて、同じように被害者だったんだ、というストーリーなのに。
日本の美々子と、台湾のリー・リィが、同じような孤独を抱える虐待を受けた子供として共感し、同じ能力を得て、日本ではあの「死の着信メロディ」が…というならまだなんとか納得のしようがありますが、その音楽が何故台湾で流れているんでしょうか。
ホラーが大の苦手で、顔を半分隠しながら観たわたしでも、この矛盾は流石に気付きました。
ありえません。
それと、1では「赤い飴玉」が犠牲者の口の中に入っている、というのにもちゃんと理由がありました。
痛いことをして妹を泣かせた後、いつもあげていた飴玉。
今回は、怨霊のルーツは台湾!ということを主張する為か、胃の中から「日本産ではない(後に台湾産と分かる)石炭」が検出される、ということになったんですが、石炭を食わせる意味が分かりません。
なんでも食わせりゃ良いってもんじゃありません。
日本を飛び出そう!という意欲がよく見えて、それは別に悪いことであるとは思いません。
ですが、設定に無理がありすぎて、散漫な印象を与えていることは否めないと思います。
途中、ジャーナリストの孝子の方と2つにストーリーが分岐して、それぞれのドラマを展開するんですが、そのせいで、どっちも中途半端になっている気がします。
これ、無理に日本を飛び出そうとしなければ、もう少しコンパクトにストーリーをまとめることが出来たんじゃないでしょうか。
…そうでもないかな。
孝子の方は、双子の妹を死なせた後悔を感じながら生きていて、その妹が、彼女のドラマには深く関わってきます。
ただ、そのドラマが中途半端な気がします。
どうして彼女がそこまでこの「呪い」に強い関心を抱くのか、という説明にはなっていますが、最後の最後で、そのドラマが全く関係ないものになってしまっている気がします。
これは、折角のドラマが生かしきれていないなぁ、と感じました。
対する杏子の方は、保母で児童カウンセラーを目指す女性、ということで、母性を感じさせる存在として描かれています。
前作の由美(柴崎コウ)が、美々子の孤独や苦しみに対して共感し、同化したのに対して、彼女はリー・リィのそれに同情し、受け入れる立場に立ちます。
そういう立場の違いが、この2作のエンディングの違いに繋がったんでしょうか…。
前作のエンディングはめためたでしたが、こちらの方がまだ、エンディングとしては納得がいく気がします。
ただ、どう考えても、そこまで怨霊に対して同情しきれるものではないと思います。
大体、友達とか殺されてるんだし。
そこら辺は、ビミョーに納得がいきません。
これはホラー映画にはツキモノですが。
全編を通して「死の着信メロディ」がキーとなっているだけに、映画のところどころで、いきなり古いタイプの携帯の電子音が鳴り出します。
これは映画館で観るとキツい。
怖いというよりも、わたしは頭が痛くなりました。
そうそう、このリー・リィが死んだ場所の真上が電波塔、ということで、何故携帯を媒介にしているかの説明をしているつもりなのかもしれませんが、それにも納得がいきませんでした。
だって、リー・リィが死んだのは90年前ですよ?
携帯電話が普及するまで、どうやって人を殺していたの?
テレビ、ラジオとか?
だったら、もっと数万人規模で死んでそうですよね。
電波塔が建つまでは、じゃあ、黙って死んでたんでしょうか?
謎だ…。
ホラーならホラーだけやってりゃ良いのに、そこに恋愛まで絡め、更に家庭ドラマまで絡めようなんて、明らかにやりすぎです。
大体、美々子がレイプされて出来ちゃった子だ、なんて設定は1にありませんでしたし。
あったら、もっと早くお母さんは美々子を見捨てていた気がします。
何でもかんでも設定を後付けするのは止した方が良いですね。
徒に作品のレベルを下げるだけです。
それに、途中で出てきたお婆さんがキーとなる怨霊リー・リィについて語るシーンがあるんですが、そのお婆さんも謎。
唯一の生き残り、ということと、自ら目を刺して失明した、ということは無関係ではない気がするんですが、どうして目を刺したのか、どうして一人だけ生き残ることが出来たのか、その説明が全くありません。
孝子のシーンをもっと減らして簡潔にすれば、そこのエピソードを描けた気がします。
その方が、リー・リィのキャラクターにもっと深みが出た気がします。
正直に言って、美々子に比べ、リー・リィの方はドラマが薄すぎる。
それと、最後に1つ。
杏子の携帯に送られてきた写真で、杏子の口が縫われているのが分かります。
街中を歩いていると、杏子の耳に「口を縫われた女の子が深夜に枕元に立つ」という女子高生の声が飛び込んでくるんですが(その女子高生も、携帯で会話をしている)、その噂というのが本当に唐突に出てくる気がします。
噂というからには都市伝説なんでしょうが、女子高生が一体どこからそんな噂を仕入れてくるんでしょうか?
だって、口を縫われたリー・リィは台湾にいるのに。
「台湾」というキーセンテンスを出す為に、無理矢理このエピソードを挿入した感が否めなくて、はっきり言ってげんなりしました。
大体、「口を縫われた」って、別にそんなに怖い感じがしないし…。
トータルで言って、この映画、わざわざ映画館で観る価値はありません。
普通の映画は、駄作であっても、映像が大きく迫力満点、っていうだけで少々面白さが割増されるものだと思いますが、この映画はそうでもなかったです。
寧ろ、音量の調節が出来ないので、音が頭に響いて疲れます。
電子音っていうのが、やっぱり良くないですね。
恐怖は確かに煽られるかもしれませんが(死の着信メロディがオーケストラだったら、あまり怖くないでしょう)。
あ~ぁ、これ観るくらいなら、JUON観た方が良かったなぁ。
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