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barcarole

大作からB級まで、たまにミーハー、たまに毒舌な感じで感想を綴っています。
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  • 04/30/03:55

ヴィドック VIDOCQ

えー、わたしはフランス語が苦手です。
なんていうか、聞いているとムズムズする。
鼻から抜けてく音が、聞いてると脱力するっていうか、「もっと真面目に喋れ」とか思っちゃう。
というわけで、これにしても、「ルーブルの怪人」にしても、最初は違和感アリまくりでしたが、まあ良いでしょう。


ストーリーは、はっきり言えば、「ストーリーが中途半端」。
わたしがフランス語以上に苦手なのは、オカルト。
ホラーっていうのは、最初から不条理なものだと思っているからまだ平気なんですが、錬金術士とか不老不死だとかっていう言葉が出てくると、拒絶反応が出ます。
この映画も、最初は「オペラ座の怪人」のようにマントと仮面の内側は普通の人間かと思いきや…おいおい、オカルトに走るのかよ。

えー、まず、疑問をいくつか。

何故にわざわざ落雷を演出して殺さなきゃならないの?

これは正直すごく疑問です。
だって、殺すなら、普通にナイフで殺せば良いじゃない?
そうしたら、通り魔的な犯行ってだけで、手がかりなんて全然残さずに済んだのに…。
どうせ「証人は殺す!」って考えてるなら、通り魔的犯行で相手を殺して、目撃者がいればその目撃者を殺す、ってことで良いじゃない。
ねぇ。
むざむざ探偵に自分の足跡を残して見せてるとしか思えない。
犯人が、自分の犯行を演出したいタイプだったというなら兎も角、そういうタイプでもなさそうだし。


次に、どうしてあいつらをわざわざ仲間にしなきゃならなかったの?
確かにある程度のリスクは伴うけれども、犯人が自分自身で処女の娘を買い歩いた方が、よーっぽど安心確実だったと思うんだけども。
だって、仲間を増やす=リスクが増える、ってことでしょ?
それとも、彼らを仲間に引き込むことで、穏便に少女達を買えたってことか?
金がなくて娘達を買えなかったのかなぁ。
でも、あのごっつい研究施設を見ると、そうもイマイチ思えないんだけど…。

大体、あいつらに言い出した条件そのものがどうせ叶えられるわけもないもので、だったらあいつらが良心の呵責に苛まされて「もう止める」とか言い出さなくても、早晩あの方法は破綻していたわけだよねぇ。
そう考えると、不老不死の錬金術士、案外計画性がないというか、行き当たりばったりというか。
うーん。
それってどうなの?


それと、結構気になったのが、CGと普通の動きとの違いが、結構はっきり分かっちゃうこと。
監督はエイリアン4で特殊効果を担当していたという経歴を持つんですが、じゃあ、あのあまりにもはっきりとした質感とかの違いは、わざと?
わざとじゃなければレベルが低い、わざとだったら、わたしはちょっとそういう効果は受け付けないかも…という感じです。


ただ、どうも、ここまではけなしてばかりの気がするけど、わたしはこの映画、結構気に入りました。
「ムーラン・ルージュ」を見た時にも思ったんですが、映画を楽しむといっても、ストーリーの良さだけを求めるわけじゃありませんから。
独特の世界観、独特の映像美、そういうものって、結構心をくすぐられます。
ストーリーが単純だからこそ、とことんその映像のキレイさにやられるって感じかな。
ストーリーが単純で、ひたすら豪快なアクションの連続、っていうパターンだと途中でもうダレちゃうんだけど。

 この作品で何がキレイって、まず、暗いパリの雰囲気。
映像のトーンは全体に暗いんですが、日本のホラーとかの暗さとは全然違って、「中世」ってかんじの暗さ…飽くまでヨーロッパ的な暗さというか。
頽廃的なムード漂う町並みに、「当時の実際の風俗店がこんなんだったら怖すぎる…」と思わせるような怪しい店。
要するに娼館なんですが、あんな娼館なら一度見学に行ってみたいかも…。


そして、何よりキレイなのが、空!
いかにも絵画的な空がそこだけ嵌め込まれてるんですが、その空が、どれもすっごくキレイです。
あのゴシックっぽい暗い雰囲気に、どこまでも綺麗な空。
青空も勿論良いんですが、暗く雲に覆われた空、その雲の一部が途切れて夕陽が差し込むところなんで、実際に見たら感激しそう。
綺麗な空の数々が、どれもよく雰囲気にマッチしてるんですよ。
見た瞬間に、思わず、「この空綺麗だね」とか感想を漏らしてしまったくらい。


うーんと、あとはね、出てくる人間はおっさんばっかりです。
しかも、それぞれアップシーンが凄く多いから、「う、おじさんばっかで濃い…」とかちょっと思います。
でも、わたしはおじさんが結構好きなので問題なし。
ただ、唯一出てくる若い青年というのが、わたし的好みから外れていたので、ちょっと彩りに欠けるなぁと思いました。
ヒロイン(と言って良いものか…)も、序盤に出てきた時には活躍しそうな気がしたのですが、終わってみれば印象があまりに薄いです。
しかも、衣装もそれ程華やかではないから、出てきても、ぱっと華が…というわけでもないし。


この映画、別に2度3度と見たいとはあまり思いませんが、映画館で見たら良かったなぁと思いました。
映像美を追求してるので、スクリーンで見た方が一層楽しめそうな気がします。
この映画なら、1000円払って見ても、損した気分には(多分)ならないなぁ。わたしはね。


最後になりますが、ヒロインが来ていた民族衣装。
縫い目もボタンもないんですが、手首のところの飾りヒモを解くと、ぱっとドレスが割れる。
思わず、「おぉっ」と思いました。
あれ、着てみたいなぁ。
ちょっと欲しいなぁ。
どこかで売ってないものでしょうか。
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