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barcarole

大作からB級まで、たまにミーハー、たまに毒舌な感じで感想を綴っています。
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  • 04/30/06:25

ロード・オブ・ザ・リング  二つの塔 The Lord of the Rings: The Two Towers

いよいよ映画も佳境に入った第2弾。
さて、主人公は…出番、少なッ。

前作で、メリー、ピピン組、フロド、サム組、アラゴルン、レゴラス、ギムリ組の3つに分裂してしまったわけですが、その流れは、今作でも変わりません。
うん、巡り合わない。
で、正直、最もこの映画で活躍している…というか、見せ場が多いのは、最後のアラゴルン、レゴラス、ギムリの3人でしょうね。
次いで、メリーとピピン。
彼ら自身が何かをしたわけではないけれど、彼らを助けるエントの印象があまりに強いので、かなり観終わった後も印象に残ります。
フロド、サムは…おいフロド、しっかりしてくれよ、といったところでしょうか。

まず、主人公、フロドと庭師サムから。
1の方でも思ったんですが、庭師というのはそんなに身分が低いんでしょうか?
どうしてサムは、ずっと、「ミスター・フロド」とフロドのことを呼ぶの?
日本語の字幕だと、「フロド様」。
ひでー、そんなん、友達じゃねぇよ!

それと、今作から本格的に登場したゴラム。
上手い。
このキャラがいたからこそ、フロドとサムがまだ映画の中で存在感を持っている気がしました。
ゴラムとスメアゴルの葛藤のシーンが上手く表現されていて、思わず、「スメアゴル頑張れ!」とか思っちゃいましたね。

サムがなかなかカッコ良いです。
フロドの葛藤、葛藤、葛藤の嵐の中、忠実に彼に仕え(?)、彼に危機が訪れる度、身をなげうってでも助けようとする姿に、思わず「カッコ良い~」と思いました。
…外見は、まぁ、所詮ホビットですけど。

そんなサムの献身的な態度、そしてゴラムに対するあまりに正当な危惧とは裏腹に、指輪の魔力に呑まれかかっているフロド…。
主人公はフロドの筈なのに、印象が非常に薄い。
もう、ずーっと悩んでるだけ、っていう印象ですね。
ブチきれてサムを殺しそうになったり、妙なところで連帯感を持ってゴラムに同情しすぎたり。
いや、確かにゴラムには同情というか、共感すべき点はあるんだけれども、今まで30年近い付き合いがあるサムより、ゴラムを信用しちゃ駄目でしょ。
まあ、指輪の魔力は、囚われたことのある者でなければ分からない、ってことなのでしょうか。



さて、メリー、ピピンの2人。
ぶっちゃけ、見分けがつかない。
うん。
困った。

彼らはひたすら逃げまくり、逃げまくり、逃げまくり、最後の最後で日和かけてます。
「シャイア(ホビット庄)に戻ろう」とか言って。
駄目だから。
「こんな恐ろしい戦いは僕らには所詮ムリなんだよ、早くあの住み慣れたシャイアに戻ろうぜ」みたいな台詞には、観ていて思わずツッコんでしまいました。
「だーかーらー! 戦って倒さなきゃ、シャイアも滅びる可能性があるんだってば!!」
いい加減状況を把握しろ、と言いたくなるような呑気さを持ち続けるピピンに対して、メリーがアツイ主張を繰り広げますが、結局エントを説得出来ずにシャイアに戻りかけ…。

最後のエントのシーンはかなり良かったですね。
「ここの木達は皆ワシの友人だったんだ」という木の髭の慟哭と、その後の大爆発。
予想通りではありましたが、あの豪快な洪水のシーンには、思わずどきどきしました。
人がどれだけ自然を破壊しようとしても、人には制御しきれない自然の力…というようなものを感じましたね。
どれだけ立派なものを作っても、大自然が怒り狂えば、あっという間に破壊されてしまうわけです。
ふんふん。
それにしても、あんなにいっぱい人の顔のついた木がわーっとやって来て、自分の住む家を水浸しにされたら、さぞかし泣けるでしょう。

エント達の襲撃シーンは、もうひたすら圧巻。
猛烈な勢いで破壊されていく様は、いっそ爽快です。
その強烈な破壊シーンの中、火をつけられたエントが大波に慌てて頭をつけて消火し、「は~ヤバかった」みたいな仕草を見せるシーンは、ちょっとほのぼのしました。
良い味出してますよ、彼らは。



さて、今作のドラマの中心は、やはりアラゴルン達3人でしょう。
前作よりも一層カッコ良く、見せ場たっぷりで、もう、もう、もう…。

悶えました。

なににって、ギムリのあまりの可愛さに。

三人がメリー、ピピンを一生懸命追いかけるシーンは、なかなかでしたね。
ニュージーランドでしたっけ?
あの風景が凄い。
あまりに雄大な大自然に、映画とは全く関係なく、「うあー、ちょっと登ってみたいかも…」とか思ってしまいました。
多分、あの山は登れない。
ムリ。

ギムリが走りながら、「もう3日3晩も休んでない、ありえん」みたいなことを言うシーンがあるんですが、思わずギムリに同情。
コンパスの長さが違うんだもの、遅いのは仕方ないよね…。
つーか、ギムリはどうせ素早く走れないわけで、観ている間でも前の2人とはどんどん差が開いているわけです。
で、ある程度開くと、立ち止まってギムリを待つ、と。
…うん、ギムリ、休めていないのは君だけだ。


アラゴルン、相変わらずワイルド、かつおっとこまえです。
いきなり、ローハンのエオウィンを悩殺。
愛し愛され自信たっぷりのアルウェンより、相手に好きな人がいることを知りつつも焦がれるエオウィンの方が、人の共感を得やすい気はしますが…かなり露 骨に気がある態度を見せられながら、無礼にならない程度に相手を尊重し、心はアルウェン一筋のアラゴルンが、すごく良い!
うん、アラゴルンがあれだけ良い男じゃなければ、アルウェンのキャラは、きっともっとつまんないものになっていたでしょう。
戦闘シーンが続く今作で、アルウェンのシーンが間延びした…と捕らえる人もいそうだけれど、わたしはなかなか好きでしたね。
やっぱり、あのシーンがないと、アルウェンとアラゴルンの恋の重さというのが出てこないと思います。
永遠の命かぁ。


それにしても、今回最も迫力があったのは、最後の砦での合戦のシーン。
夜戦ということで、若干画面が観辛いという難点はあるものの、大迫力の合戦には思わず興奮しました。

やはり、感動するのはエルフ達がやって来るシーン。
ローハンの王が、アラゴルンに「援軍を頼めば…」というようなことを言われた時に、「君には良い友人がいる。だが、わたしの友人達はもう死んだ」というようなことを答え、決戦の時を迎えようとした時に、颯爽と現れるエルフ達。
感動。

そして、こんな真面目なシーンでも、ギムリが良い味出しまくり。
…原作だと、もうちょっと違った印象だった気がするんだけど、ま、良いか。
砦の防壁の上に立って、オークの大軍勢と向かい合った時に一言、「見えん」。
ははははは。
で、レゴラスの切り返しが秀逸。
「解説しようか? それとも踏み台?」
うん、踏み台に乗るギムリが観たかったね。

もういっちょギムリ。
城門を守る為、そっと横の扉から出て橋に飛び移るシーン。
…届かないよ!
で「言うなよ、言うなよ」とアラゴルンに頼むギムリ。
アラゴルンが微かに笑っているのは、気のせいか?
「投げてくれ」。
ははははは。
ところで、このシーンを見ている時にふと思ったんですよ。

ポーン。
届かなかったら?

ポーン。
飛び越えちゃったら?

勝手に想像して爆笑。
特に、飛び越えちゃったりしたら…。
「あ、ごめん」とかアラゴルンが言うのかなぁ。
でもって、ギムリの末期の声は「飛ばしすぎだ~」とか。

ふふ。


ま、おバカな想像はさておき、かなり楽しめる1本でした。
多分、1を観ていないとイミが分からないけど。


あれだけ長い原作を映画3本にまとめるとなると、相当の苦労があったでしょう。
しかし、上手く纏められていると思います。
原作に相当思い入れがあるならやはり不満はあるでしょうが、わたしはかなり満足しました。

それと、3本で1作という作りは、映画としては邪道かもしれません。
でも、あれだけの雄大な物語を映画化するなら、この程度の長さになるのは仕方のないことでしょう。
細部を端折りながらも、筋を通す…ということを考えると、この作品に対する監督の情熱が伺われます。

それと、この2でのメインは戦闘シーンと言えると思いますが、単なるアクション映画ではなく、きっちりストーリーがあるのが尚良し。
それも、やはり、この映画が三部作であり、ゆっくりとそれぞれのキャラクターの掘り下げを出来ているからだと思いました。

ファンタジーが駄目、という方にはオススメ出来ませんが、そうでなければ、これだけの大作、かなり楽しめると思います。
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