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青い春
「青い春」です。
青春。
考えさせられる言葉です…。
この映画、邦画もなかなか良いかもな~、と思わせてくれた一作です。
青春映画が好きな人には、是非観て、と言いたい。
尤も、明るくて友情がメインでハッピーエンドが大好き、って人には全く薦めませんが。
松田龍平。
実は、わたしは、彼の映画初出演の「御法度」を観に行きました。
そして、「美少年だと!? ふざけるな!」と思い、彼からはずっと距離を置いていたのですが、映画館の予告に惚れて観に行き…いや、なかなか良い味出してましたよ。
美少年ではやっぱりないと思うけれど、あのクールさが、あの顔と似合っていて良い。
覇気のない、独特の生命力のなさ、みたいなものが、あの映画ではプラスに働いていたと思います。
青木役の新井浩文には、正直あまり魅力は感じませんでしたね。
「おい、お前、髪型それはねぇだろ!」とかツッコむくらい。
青木というキャラクターには魅力がないでもないんだけど…。
ただ、上手い役者になるだろう、とは思いました。
やっぱり、この映画は、九條が主人公でありながらも、青木なしには決して成り立たない。
前半の気弱でイタイ系の青木から、後半のぷちっとキレちゃって一層イタく、しかもヤバい系の青木への変貌は、実に上手いと思いました。
あの顔があまり好きじゃないんだけど、やっぱりこの役は、新井浩文が演じたからこそ、のものだったのかもしれません。
…なかなか、あそこまで壊れられないでしょ。
誰が好きって、大柴裕介の演じる木村です。
大柴裕介は元々モデルというだけあって、スタイルが凄く良いですね。
でもって、顔もわたし好みですw
…それだけが理由で「良い」って言ってるわけじゃないんですけど。
木村は野球部の元エース。
高校3年間、野球に打ち込んで、甲子園を目指しますが、最後に打たれてゲームエンド。
彼は、彼の青春時代の終わりを感じ、高校をドロップアウトします。
そのシーンが、わたしは大好きです。
直前まで現役の野球部員(つまり後輩)と2人で麻雀をしているんですが、そこのシーンがなかなか良い。
…しかし、あの迷いのない手つき…相当麻雀慣れしていると見たんですが、一体どうなんでしょう。
それはともかく、麻雀をしながら木村は自分の思いを言葉少なに語り、「混一トイトイドラドラ」と最後に一言言って、野球部の部室を去ります。
そのまま、彼は真っ直ぐに校庭を突っ切って、彼を待つやくざの元へと向かいます。
その時に、彼のナレーションが入るんですが、その言葉が秀逸。
高校球児って良いなぁ。
ああいう熱い言葉を言っているからこそ、木村の九條とは違うクールさがカッコ良く見えるんですね。
わたし的に最も青春を感じたのが、この木村のエピソードです。
カッコ良かった~。
木村とはまた違う意味で心に残ったのが、高岡蒼佑演じる雪男のエピソード。
おそらく社会的にステータスの高い職に就いている親を持つ雪男は、高校3年の夏を迎え、進路決定を迫られます。
あの、全身からだるさが漂ってくる演技も上手い。
そして、最後に彼の背中をポンと押したのが、友人の鼻につく長々した言葉。
まるで、「あーうぜぇ」とでも言うように、彼は戻れない道に一歩踏み出してしまいます。
このエピソードは、本当に誰もが高校生の頃に感じる苛立ちを思い出させるものだと思いました。
ふとした、何でもないことのような一瞬が、決定的に違う自分にしてしまう。
そういう危うさ、脆さって、凄く青春っぽいなぁと思いました。
現代の少年犯罪のきっかけって、案外、ああいうものなんじゃないかな、って。
大した理由があるわけじゃないのに、って言う時には、ああいう一瞬が訪れてるんじゃないでしょうか。
まぁ、わたしは人を刺そうと思ったことがないので、よく分かりませんけど。
雪男の話では、マメ山田演じる教師が際立っていました。
ああいう先生、良いなぁ。
この映画を全て観て、思ったことをつらつらと。
痛い。
時間は二度と戻らない。
それを痛感させる映画だと思いました。
青春っていう時代って、今思えば、確かにありました。
当時は「これが青春だ」なんて勿論思わないし、「青春なんて言葉、ちょっとカッコ悪い」って思ったりもしてたのに、今になって当時を思い出せば、「青春って本当に貴重な時間だったんだ」って思えます。
ただ、普段は当時のことなんて、思い出しもしないんですよね。
それが、この映画を見ると、当時のどうしようもない気持ちが一瞬思い出されます。
たとえば、閉塞感。世界が小さく閉じていて、その中でしか生きていられない不自由さ。
何もかもを破壊したい、という強い破壊衝動。別に、何かを壊したいほどに不自由なわけでもなく、不満がそんなにそんなにあるわけじゃないのに、何かに苛立って壊したくなる、とか。
何かに熱狂しながら、他の何かにはひどく醒めていて、その切り捨て方の鋭さ、とか。
この映画には、そういう、多分多くの「青春」という時間をすごした人々がそれぞれ感じた思いが、ぎゅっと詰まっている気がします。
共感出来るポイントは人それぞれだと思いますし、中には全然共感出来ない人もいるんでしょうけど、わたしはかなりの部分、感情移入しながら観てしまいました。
…ま、普通より大分演出過多というか…実際には、ここまでドラマチックな青春はなかなか過ごせないものだと思いますけど。
それに、彼らの感情の全てに共感出来る訳では、勿論ありません。
自分の青春時代に、確かに熱い瞬間はあったけれど、ああも無邪気に熱中出来た気はしないし。
でも、なんとなくだけど、全編を通して懐かしい気がします。
実際にあんな体験をしたわけじゃないんですけどね。
何度でも観たくなる、とまで言っては言いすぎかもしれませんが、ふとした瞬間に、また観たくなる気がします。
それと、この映画で何が良かったって、曲がすごく良かったですね。
ミッシェルガン・エレファントだったかな。
アーティスト名が曖昧なことからも分かるように、わたしは彼らの曲は全く好みじゃありません。
ですが、この映画に関して言えば、ストーリー、映像、何もかもと、この曲がとても合っていたと思います。
音楽がテーマというわけでもないのに、ここまでドラマとリンクした曲って、そうそう見られないですね。
あの曲は良かった。
多分、今あの曲だけ聴いても、青春を思い出して切なくなっちゃう気がします。
…実は、今のところ、わたしの中で邦画のベスト3に入る映画です。
青春。
考えさせられる言葉です…。
この映画、邦画もなかなか良いかもな~、と思わせてくれた一作です。
青春映画が好きな人には、是非観て、と言いたい。
尤も、明るくて友情がメインでハッピーエンドが大好き、って人には全く薦めませんが。
松田龍平。
実は、わたしは、彼の映画初出演の「御法度」を観に行きました。
そして、「美少年だと!? ふざけるな!」と思い、彼からはずっと距離を置いていたのですが、映画館の予告に惚れて観に行き…いや、なかなか良い味出してましたよ。
美少年ではやっぱりないと思うけれど、あのクールさが、あの顔と似合っていて良い。
覇気のない、独特の生命力のなさ、みたいなものが、あの映画ではプラスに働いていたと思います。
青木役の新井浩文には、正直あまり魅力は感じませんでしたね。
「おい、お前、髪型それはねぇだろ!」とかツッコむくらい。
青木というキャラクターには魅力がないでもないんだけど…。
ただ、上手い役者になるだろう、とは思いました。
やっぱり、この映画は、九條が主人公でありながらも、青木なしには決して成り立たない。
前半の気弱でイタイ系の青木から、後半のぷちっとキレちゃって一層イタく、しかもヤバい系の青木への変貌は、実に上手いと思いました。
あの顔があまり好きじゃないんだけど、やっぱりこの役は、新井浩文が演じたからこそ、のものだったのかもしれません。
…なかなか、あそこまで壊れられないでしょ。
誰が好きって、大柴裕介の演じる木村です。
大柴裕介は元々モデルというだけあって、スタイルが凄く良いですね。
でもって、顔もわたし好みですw
…それだけが理由で「良い」って言ってるわけじゃないんですけど。
木村は野球部の元エース。
高校3年間、野球に打ち込んで、甲子園を目指しますが、最後に打たれてゲームエンド。
彼は、彼の青春時代の終わりを感じ、高校をドロップアウトします。
そのシーンが、わたしは大好きです。
直前まで現役の野球部員(つまり後輩)と2人で麻雀をしているんですが、そこのシーンがなかなか良い。
…しかし、あの迷いのない手つき…相当麻雀慣れしていると見たんですが、一体どうなんでしょう。
それはともかく、麻雀をしながら木村は自分の思いを言葉少なに語り、「混一トイトイドラドラ」と最後に一言言って、野球部の部室を去ります。
そのまま、彼は真っ直ぐに校庭を突っ切って、彼を待つやくざの元へと向かいます。
その時に、彼のナレーションが入るんですが、その言葉が秀逸。
高校球児って良いなぁ。
ああいう熱い言葉を言っているからこそ、木村の九條とは違うクールさがカッコ良く見えるんですね。
わたし的に最も青春を感じたのが、この木村のエピソードです。
カッコ良かった~。
木村とはまた違う意味で心に残ったのが、高岡蒼佑演じる雪男のエピソード。
おそらく社会的にステータスの高い職に就いている親を持つ雪男は、高校3年の夏を迎え、進路決定を迫られます。
あの、全身からだるさが漂ってくる演技も上手い。
そして、最後に彼の背中をポンと押したのが、友人の鼻につく長々した言葉。
まるで、「あーうぜぇ」とでも言うように、彼は戻れない道に一歩踏み出してしまいます。
このエピソードは、本当に誰もが高校生の頃に感じる苛立ちを思い出させるものだと思いました。
ふとした、何でもないことのような一瞬が、決定的に違う自分にしてしまう。
そういう危うさ、脆さって、凄く青春っぽいなぁと思いました。
現代の少年犯罪のきっかけって、案外、ああいうものなんじゃないかな、って。
大した理由があるわけじゃないのに、って言う時には、ああいう一瞬が訪れてるんじゃないでしょうか。
まぁ、わたしは人を刺そうと思ったことがないので、よく分かりませんけど。
雪男の話では、マメ山田演じる教師が際立っていました。
ああいう先生、良いなぁ。
この映画を全て観て、思ったことをつらつらと。
痛い。
時間は二度と戻らない。
それを痛感させる映画だと思いました。
青春っていう時代って、今思えば、確かにありました。
当時は「これが青春だ」なんて勿論思わないし、「青春なんて言葉、ちょっとカッコ悪い」って思ったりもしてたのに、今になって当時を思い出せば、「青春って本当に貴重な時間だったんだ」って思えます。
ただ、普段は当時のことなんて、思い出しもしないんですよね。
それが、この映画を見ると、当時のどうしようもない気持ちが一瞬思い出されます。
たとえば、閉塞感。世界が小さく閉じていて、その中でしか生きていられない不自由さ。
何もかもを破壊したい、という強い破壊衝動。別に、何かを壊したいほどに不自由なわけでもなく、不満がそんなにそんなにあるわけじゃないのに、何かに苛立って壊したくなる、とか。
何かに熱狂しながら、他の何かにはひどく醒めていて、その切り捨て方の鋭さ、とか。
この映画には、そういう、多分多くの「青春」という時間をすごした人々がそれぞれ感じた思いが、ぎゅっと詰まっている気がします。
共感出来るポイントは人それぞれだと思いますし、中には全然共感出来ない人もいるんでしょうけど、わたしはかなりの部分、感情移入しながら観てしまいました。
…ま、普通より大分演出過多というか…実際には、ここまでドラマチックな青春はなかなか過ごせないものだと思いますけど。
それに、彼らの感情の全てに共感出来る訳では、勿論ありません。
自分の青春時代に、確かに熱い瞬間はあったけれど、ああも無邪気に熱中出来た気はしないし。
でも、なんとなくだけど、全編を通して懐かしい気がします。
実際にあんな体験をしたわけじゃないんですけどね。
何度でも観たくなる、とまで言っては言いすぎかもしれませんが、ふとした瞬間に、また観たくなる気がします。
それと、この映画で何が良かったって、曲がすごく良かったですね。
ミッシェルガン・エレファントだったかな。
アーティスト名が曖昧なことからも分かるように、わたしは彼らの曲は全く好みじゃありません。
ですが、この映画に関して言えば、ストーリー、映像、何もかもと、この曲がとても合っていたと思います。
音楽がテーマというわけでもないのに、ここまでドラマとリンクした曲って、そうそう見られないですね。
あの曲は良かった。
多分、今あの曲だけ聴いても、青春を思い出して切なくなっちゃう気がします。
…実は、今のところ、わたしの中で邦画のベスト3に入る映画です。
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